今年は梅雨が明けないのかと思わせるほどの長雨続きだった7月。一転して、猛暑を超える危険な暑さが続く8月。七夕も、花火も盆踊りもない、コロナ禍での特別な夏は暑さだけが空回りをしているようだ▼そんな中、高校球児の特別な夏が今、甲子園球場で1試合だけの交流試合という形で開催されている。スタンドには選手、家族のみ。テレビで見ていても何か寂しい感じは否めないが、いつもと変わらぬ全力プレーの選手たちの姿には、その寂しさを打ち消す力がある▼ただ、あれだけ広い球場、一般の入場は制限しても、応援団の受け入れはしても良かったようにも感じる。感染防止に必要な距離は十分に保てたはず。検討の余地はあっただろう▼そして、明後日、磐城高校が国士舘高校と対戦する。もちろん勝負の世界だし、勝利を目指して欲しい。しかしそれが全てではない。全力で、最後まであきらめない姿勢を貫くこと。それが感動と勇気を与えることになる。がんばれ。
片隅抄