市内でも屈指の交通量を誇る旧国道6号と鹿島街道が交わる平の大町交差点そばに、「中央橋」と刻まれた石製の古い標柱と片方だけの橋げたがある▼そこは旧国道と現在の新川の間を並行して東西に延びる新川緑地公園の一角で、さまざまな樹木が植樹され、四季の移り変わりを感じながら散歩できるこの細長い緑地帯が、昔の新川にフタをしてできたことはよく知られている▼緑地帯になる前の旧新川の絵はがきを見たことがあるが、川幅は今より狭いものの、ちゃんと水をたたえた風情のある川だった。現在の新川は違う。鬱蒼とした雑草や灌木が川を占拠し、水はその隙間をチョロチョロ遠慮しながら流れているありさまだ。しかも川底は慢性的に土砂が堆積して非常に浅い▼大雨に弱い新川の構造的な問題が昨年秋の台風による水害で明らかになったが、この1年でどの程度強化されたか。昨年並みの大型台風の襲来は十分予想される。猛暑の後の秋も心配は尽きない。