安倍前首相の辞意表明から3週間。政局は流動化しつつも、官房長官を務めた菅義偉氏が自民党総裁に選ばれたのち、首班指名を経て第99代首相に就いた。総理・総裁を生み出す派閥に属さず、天下取りを成し遂げた力量はなかなかである▼一連の首相誕生までの過程はスムーズであり昭和54年10~11月にかけ、総選挙で敗れた大平正芳首相の退陣を求め、自民党内の主流派と反主流派がもめにもめた「四十日抗争」などは昔日の感がある▼たまにテレビで流れるが、自民党ホールのバリケードを撤去する浜田幸一さんの大暴れのシーンは有名だ。あの混乱がよいとはいえないが、権力闘争のダイナミズムは今の比ではない▼さて時を同じく、いわき市議選も13日投開票され、新議員37人が選出された。こちらの事前予想と異なる結果も出たが、まずは新人7人の今後の活動に注視したい。熱気とクールを漂わせ、公約に掲げた理念のもと市政に汗を流してほしい。
片隅抄