先日、友人がSNSにアップした動画に思わず見入ってしまった。そこには、昭和40年代の平を中心とした町の様子が描かれていた▼本町通りにあったデパートの屋上の遊具で遊ぶ子供たちや、七夕祭りで賑わう風景もあった。当時名物だった怪獣やヒーローものの造形物など、懐かしい映像もあった。花見の頃だろう、松ケ岡公園の様子もあり、共通してどの場面も人で溢れかえっている。コロナ禍であることを差し引いても今との差は歴然としていた▼人口の減少とレジャーの多様化が招いているには違いない。ただ、それだけだろうか。人とのつながり方の変化にあるように思う。ネット社会になって、人に頼ることなく情報が得られる時代になった。個人主義の確立がもたらしているとも言えるのではないだろうか▼一人では生きていけないのが人間だ。人との関係は、どんなに時代が変わってもアナログのまま。頼り、頼られる関係を築いていくことこそ、人の本来の姿だ。
片隅抄