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片隅抄

2020.12.4

先月24日の早朝、胸部の不快感で目が覚めた。適当な言葉が見つからないが、圧迫されるような感じが続いた。寝相が悪かったのかと上半身を動かしたり、安静にしていたが、治まる気配がなく、自ら119番に連絡した▼すぐさま状態や住所が問われる。その間、息が荒くなり額にうっすらと汗がにじんできた。床に横たわり、救急車を待った。サイレンの音が近づく。なんとか起き上がり、玄関の鍵を開け、隊員さんを迎え入れた▼まず聞かれたのが、「保険証、お薬手帳ありますか」。体調は回復しつつあったが、用意するのが難儀だった。着の身着のまま救急車に乗り込み血圧などを測ってもらい、受け入れ先の病院に搬送された▼幸い大事なかったが、1週間入院した。非日常に身を置き、これまでの勝手気ままな酒食生活を一時的に絶った。さらに身辺にあふれるものの始末も考えた。本人は「宝」としたものが、遺された人には迷惑千万になることもある。

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