5日は二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」。地中で冬眠していた虫が、春の陽気で地上に出る時期とされる▼同時に春は花粉症の季節。民間の気象会社の予測では、今年のスギ、ヒノキの花粉飛散量は例年と比べ少なめとされるが、安心はできない。新型コロナウイルスの感染リスクが、花粉症によって高まり重症化する可能性があるからだ▼コロナに感染しているのに、自分は花粉症と思い込み手当が遅れ、せき、くしゃみによる飛まつによって感染を広げてしまう。専門家は花粉症では熱が出ることは少ないので、発熱を伴う場合は、コロナを疑い医療機関への早めの相談を呼び掛ける▼コロナ、花粉症と暗い話が続いたが、春は桜の季節でもある。3月に入り桜前線の北上スピードも早まり、東京は3月19日、福島では4月1日の開花を予想している。3密から皆で花見というわけにはいかないが、ピンクに染まった桜の花を見て、一時でもコロナを忘れたい。
片隅抄