先日、平の銀座通りを歩いていた時、通りを歩く人の会話が耳に入った。すれ違いざまだったのでその一部が聞こえたと言った方が正しいかもしれない。「そこの一本目を行って右側の」確かそんなことだったと思う▼田町の繁華街の中心は、三本の通りで形成され、「一本目、二本目、三本目」と言う呼び名が一般的になっている。しかし、並木通り側から、「仲田町、新田町、紅小路」と言う正式な名称がある▼しかもどっちが一本目なのと言う声も聞かれる。そんなことから区内会では通り名の看板を設置するなどして普及に努めている。そのことは報道もされているがなかなか定着していないのが現状のようだ▼酒のうまさはその素材だけでは決まらない。良質の肴に店の雰囲気が後押しをするもの。それを求め飲み歩くのが酒飲みの醍醐味というものだ。通り名も然り。無機質な言葉では情緒が感じられない。そんなこだわりを持って酒を飲むとうまさが増すはずだ。