社内の片づけをする中で、さまざまな資料が出てくる。そのほとんどは不要に近いものだが、古い観光バンフレットになると話は別である。娯楽の少ない時代、いかに市内の名所旧跡などを紹介しようという目的が読み取れる▼『觀光石城案内』『観光と産業・いわき案内』『たいらの観光』はすでに当欄で紹介済み。先日は『観光うちごう』が見つかった。年代は分からないが内郷市、内郷市観光協会の発行で主に市営内郷ヘルス・センターと周辺の高野鉱泉などが記載されてある▼加えて昭和34年発行の『塩屋崎60周年記念 燈台のしおり』なるものもあった。表紙には、平市歌を作詞した北郷雪夫さんが「空と海は一つに結んでただあおく岬はえぐられた自然の彫刻―」と灯台をテーマにした詩が印刷されている▼時期的には約60年前と推察した。身辺にあるものを捨てていくことは、致し方ない。ただ破棄してしまったら最後、後世に残すものなど何もない。