伝説のＦ１レーサーアイルトン・セナが、最後の年間王者に輝いた91年。水素エンジンと超伝導モーター、高度な人工知能を搭載したナビゲーション搭載の近未来マシンによるアニメが始まった▼若干14歳の少年がライバルとの死闘を重ね、挫折を繰り返しながら年間王者にのし上がる物語で、心躍る展開に毎週テレビに釘付けとなった。時速４００㌔オーバーの夢のような世界観で、メカニズムの実現は当時では到底不可能。だからこそあこがれも増したが、まさか水素エンジンやＡＩを駆使した自動運転が一般的になろうとは▼国交省は脱炭素社会に向け、小名浜を含む国内６地域７港をカーボンニュートラル形成の対象港に指定した。石炭の運搬船やトラック、荷役機械の燃料を水素などに切り替えるなどし、ＣＯ２大幅削減を図る考えだ▼大風呂敷を広げた格好だが、実現不可能な絵空事ではない。現状では〝温室効果ガス46％削減〟の目標よりは現実的ではないか。
