新型コロナウイルスの感染拡大防止一斉行動の一環で31日まで臨時休館中だが、市石炭・化石館で今、企画展「続・炭鉱とスポーツ」が開かれている▼かつていわき地方の産業の中核をなした常磐炭礦や古河好間炭礦などは、経済だけでなくスポーツの面でも多くの恵みをもたらした。野球、水泳、駅伝、柔道、卓球、弓道、バレーボール、相撲など、充実した施設を備え、全国大会でも活躍した▼閉山とともにグラウンドやプールは〝夢の跡〟になってしまったが、内郷内町の内郷山神社階段わきに旧相撲場が今も残っている。落成は昭和27年。翌年には全日本実業団大会が開かれた。屋根つきの土俵は削られてしまったが、コンクリート製のすり鉢状になった8段ある観客席が往時をしのばせる▼このまま老醜をさらしておくのは何とも惜しい。炭鉱アーカイブとして化粧直しをし、子どもたちの相撲大会または屋外のコンサート会場として再利用できまいかと思った。
片隅抄