小、中学生の子どもたちは開始から1時間もたたずに自室へ引きこもり、抄子も睡魔に襲われ所々記憶が飛んだ。国民の多くがノーを突き付ける中で強行した五輪の開会式は、良くも悪くも生涯心に刻まれるだろう印象深い内容だった▼被災地の思いとかけ離れた「復興五輪」から、いつしか「コロナに打ち勝った証の五輪」へ。蓋を開けれてみれば、打ち勝つどころか感染は拡大する一方。政府の読みの甘さからワクチン不足が露呈し、接種を完了した人の割合は25%にも満たない。本市の陽性患者も急増し、〝証〟とはちゃんちゃらおかしい▼とはいえ、ドラクエの曲に乗せ堂々と入場した〝勇者〟たちに罪はない。柔道史上初という、兄弟で同日金メダルの阿部一二三、詩兄妹の快挙には思わず涙腺が緩んだ。連日の金メダルラッシュも心が揺さぶられる▼五輪に人生をかけてきたアスリートたちを〝リモート〟で応援し、今は大会が無事に終わることを願うばかりだ。