会津若松市には「あいづっこ宣言」がある▼①人をいたわる②ありがとう・ごめんなさいを言う③我慢する④卑怯なふるまいをしない⑤会津を誇り年上を敬う⑥夢に向かって頑張る――子どもにこう育ってほしいという指針で、まとめとして社会生活のルールを守る「ならぬことはならぬものです」がある。会津藩時代からの教え『什の掟』が下敷きになっている▼東白川郡塙町にも①天はおそろし②地は大切③父母は大事④子は不憫・可愛⑤夫婦むつましく⑥兄弟仲よく⑦職分を出精⑧諸人あいきょう――からなる『寺西八ヵ条』がある。江戸時代、幕領だった塙町を治めた名代官寺西封元の教えで、町では現在もこれを学校や行政、スポーツクラブ、文化団体などの活動の指針として受け継いでいる▼時代は変わっても人の心は変わらないということだ。寺西代官はイの一番に「天はおそろし」と説いた。いわきでは三藩それぞれに藩校があった。先人の教えを探りたい。
