秋というのに季節外れの高温が続いている。好天はよいのだが、ぐっと冷え込む日もあり、寒暖の差に注意が必要。一杯加減でうたた寝などしようものなら、たちまち風邪を引き込んでしまう▼この時期、市街地から少し遠くに足を延ばすと稲刈り後の広々とした風景が目に映る。昨年から続く、新型コロナの暗いムードも、感染者減に伴い光明が見え始めている。合わせて、市内の催し物も徐々に目立つようになった▼その一つに市立草野心平記念文学館の企画展「新収蔵品展」が開かれている。心平に関する数々の資料を有する同館だが、今回は過去10年間での収集品はじめ、生前の心平と親交のあった深沢忠孝、宮内敏之さんの寄贈、提供品が厚みを加えている▼専門的な資料は苦手だが、館内に展示されている心平の写真に目を引いた。東村山市の自宅ベランダや入院中のベッドで執筆する姿などは、お目にかかったことはない。秋の小川路を通り、来館するのもいい。
片隅抄