前年からの新型コロナウイルス感染症拡大が続く中で明けた今年も、残り1週間になった。沈静化したとは思わないが、22日現在のいわき市における新規陽性患者数は、68日間連続ゼロが続いている▼これ幸いと思っていた矢先、厄介な変異株「オミクロン株」の市中感染者が国内で確認された。今後、じわじわと増えだし、年末から年明けに想定されていた第6波の兆しにならなければよいがと懸念する▼自粛、抑制を強いられた1年であったが市民生活は、粛々と営まれた。その中で秋には2つの選挙戦があった。現職・新人の4人が立候補した市長選、与党に対し野党統一候補が挑んだ衆院選。いずれも静かな戦いののち、有権者の審判が下った▼敗れし者に思いをはせながら、映画『駅STATION』の一場面を思い出す。高倉健さん演じる刑事が容疑者の最期を知った時の悲哀に満ちた表情が胸に迫り、背景に流れる「交響曲第九番」が年の暮れを感じさせた。