ご長寿アニメ「ドラえもん」の記念すべき長編劇場版の第一作目「のび太の恐竜」。昭和55年3月に公開されると、観客動員数320万人の大ヒットとなった▼主人公の少年のび太が偶然発掘し、ドラえもんの秘密道具でふ化した卵から生まれたのは、本市の財産のひとつ首長竜の「フタバスズキリュウ」。昭和43年秋、当時高校生だった鈴木直さんが大久川で化石を発見したのは、広く知られている▼抄子は映画を通じて首長竜の存在を知り、白亜紀系双葉群層で見つかったことを学んだ世代。ただ映画の影響から爬虫類ではなく、長く恐竜だと信じ切っていた▼大久の発掘場所の近くで発掘された化石資料の中から先日、小型鳥脚類の草食恐竜とみられる骨が見つかった。アジアの恐竜学を解明する上で重大な発見という。「化石の宝庫」いわきの面目躍如だ。しかし研究分野で終わらせず、本市の教育や観光資源にも生かしてほしいと願うが。今後の動向が気にかかる。
片隅抄