先日、朝の連続ドラマで、親の悪口を言われ喧嘩になり、喧嘩両成敗で、どちらも悪いと、先生が諭すシーンがあった。また、同じ連ドラの再放送では、子供達の喧嘩で石を手に取った少年に対して、「喧嘩はいいが石はだめだ」と通行人が思わず声を出すシーンもあった▼どちらも設定は昭和の中期。もちろん喧嘩自体を容認していたわけではないが、弱い者いじめはいけないという教えはあったように思える▼今はどうだろう。喧嘩は暴力とみなされ、理由の如何を問わず排除される。そうなると、目に見えないいじめが横行することになる。ネット上でのいじめがそれだ。それはある意味暴力よりもダメージの大きいものになる▼最近は、イーロン・マスク氏がツイッター社を買収しようとしている。言論の自由を主張してのことらしいが、間違いや、根も葉もない中傷で苦しみ、自ら命を絶つ人さえいるのも事実。言論の自由は民主主義の基本だが、はき違えては身も蓋もない。
片隅抄