小学生の柔道大会を取材していると、対戦前と後で行う挨拶をきちんとできず審判に注意されるシーンをよく目にする▼年端もいかない子どもなら仕方ないが、日本武道館で昨日行われた柔道の日本選手権でも同じようなことがあった。聖地に日本を代表する柔道家が集まって行われた国内最高峰の大会でだ▼礼儀がよくても負けちゃダメでしょと言われそうだが、その子どもたちも見ている大会だからこそ、礼儀にも一流柔道家としての誇りをもってほしい。大相撲もそう。懸賞金を受け取るときの手形を、左・右・中の順番で切っているのを見ただけではわからない力士がほとんど。場慣れてしまうと面倒になるうらしい▼体操競技の冨田洋之、内村航平。この名選手たちは、アクロバチックな演技が要求されていくる中、単に難度だけでなく体の線など〝美しい〟演技にもこだわった。だから体操ニッポンは世界から一目置かれる。強さとともに美しい所作を、と願う。