先日、CS放送のチャンネルを無意識に回していた時、映像ではなく、懐かしい音楽に思わず手が止まった▼それは、「Gメン75」のテーマ曲だった。中学生の頃だったと思うが、日曜日の夕方に放送され、毎週欠かさず見るほどの好きな番組だった▼2話続けての放送で、運よく次の回を初めから見ることができた。内容は記憶になかったが、フィルムで撮影した画像は独特のシズル感がいい味を出し、昭和の東京を程よく描いていた。ストーリーも古臭さは否めないものの今見てもさほど違和感は感じないものだった▼それもそのはず、エンディングのテロップに深作欣二の文字があった。全てではないが、制作に携わっていたようである。今では、視聴率のためか、内容よりもキャスティング重視のドラマが主流で、NHKの和田勉、TBSの大山勝美といった演出や、山田太一、倉本聰といった脚本や原作で魅せるドラマは皆無に近い。再放送を望む声は少なくないはず。
片隅抄