仙台育英の初優勝で幕を閉じた今夏の甲子園では組み合わせ抽選会を前に、代表49校を対象としたPCR検査を行った。結果、10校で陽性者が出た。専門家を含めた会議を開き、4校が集団感染と判断。抽選会出席を取りやめとした▼今春は京都国際が開幕前日に辞退を発表。広島商業は2回戦を辞退した。コロナ禍の悲劇を繰り返さない。「集団感染と判断されたチームには回復までの期間を考え、全体で最も遅い登場となる組み合わせ日程とする」。主催者のこの英断で4校は甲子園の土を踏んだ▼このうち、九州学院は堂々の8強入り。準々決勝で本県代表の聖光学院に敗れたが、中盤以降、じりじりと追撃を試みる姿は高校野球ファンの心を熱くした▼聖光学院が初の4強入りを果たしたこの一戦。九州学院OBの熊本県議がアルプススタンドで喫煙していたことが発覚した。懸命に白球を追いかける高校球児を前に、いい年をした大人が恥ずかしくはないのか。
片隅抄