きょうは寝不足の方も多いのではないだろうか。惜しくも日本サッカー界の歴史を塗り替えることはできなかったが、前回のW杯準優勝国を寸前まで追い詰めた日本代表の奮闘ぶりは深く心に刻まれたはずだ▼1993(平成5)年10月、W杯アジア地区最終予選の対イラク代表戦。2―1でリードし勝てば初出場という試合終了間際、ショートコーナーから放たれたクロスは前年5月に代表デビューした〝気鋭のDF〟の頭上を通り過ぎ、相手選手が頭で合わせたボールはそのままゴールに吸い込まれた。崩れ落ちる日本の選手たち▼「ドーハの悲劇」をリアルタイムで目撃した抄子ら古参のファンにとっては、強豪ドイツ、スペインを大舞台で次々打ち破る代表の姿は感激以外の何者でもなかった▼それも監督はドーハの悲劇をピッチで体験した〝気鋭のDF〟森保一氏。悲劇を歓喜に変え、大きな勇気と夢を与えてくれた代表と全ての関係者に感謝の気持ちを伝えたい。