名曲『Bitter sweet Samba』といえば今はビール〝金麦〟のCMソングとして知られるが、昭和30年前後に生まれた世代にとっては、深夜午前1時、受験勉強をしながらトランジスタラジオで何度も聴いた懐かしい曲だ▼ニッポン放送の名物番組「オールナイトニッポン」が今年、放送開始から55周年を迎えたことから、19日までの3日間にわたって55時間スペシャルを行っている▼深夜放送は、とうに還暦を過ぎた世代の青春時代に欠かせないアイテムだった。初期には糸居五郎、斉藤安弘といったレジェンドがいたが、わが推しパーソナリティーは南こうせつ、あのねのね、タモリ、所ジョージといったあたり。ほかにも「セイ!ヤング」や「パックインミュージック」などがあった▼1枚のはがきがパーソナリティーと聴取者をとりもった。リクエストだけでなく人生相談にも応じた時代だ。メディアは多様化しているが、深夜放送はこれからも親しまれていくだろう。