超高齢化社会の中では、65歳あたりが本当の意味で人生の折り返し点になるのかもしれない▼定年を延長しての再雇用期間も一段落。そこから再々雇用されるか別な仕事に挑戦するか。生活費に事欠かないならいったん仕事を離れるという選択肢もある。家庭にあっては子どもが独立し、自分のための時間をもつことができる。抄子もまた後半生をどう生きるかを選ぶ岐路に立つ年代を迎えた▼そんな中で、3歳年上の兄が突然死を遂げた。健康診断では異常を指摘されなかった。仕事を離れて庭いじりと孫の面倒を見る日々。前日に夫婦で映画鑑賞に出掛け、当日朝も食欲は旺盛だったが、昼になって家族が帰ると、室内で倒れて亡くなっていた▼はっきりした死因はわからずじまいだった。ずっと元気だったのに突然亡くなったという話をほかでも聞いたことがあるが、これは誰にでもありうることなのか? 何か共通することがあるのか。老後の出発点で考えさせられた。