社屋西側からは若葉台の家々、さらに先には高架橋が視界に入る。周辺は先ごろまでグレー一色の殺風景な感じだったが、季節は移ろい新緑が目に映える▼街なかでは聞くこともなかったウグイス、ホトトギスの鳴き声も響き渡る。年度替わりや新型コロナウイルスの陽性者減が影響してか、いわき市内では堰を切ったように人流を伴った会合、催しが目立ってきた▼このうち連休を前に、市文化センターでは水墨画、絵画の展覧会が始まった。いずれもコロナのため開催は3年ぶり、4年ぶりという。制作にいそしみ、発表の場を得ることは出品者の意欲向上につながると思う▼さて、来月1日まで東京の国立新美術館で「第100回春陽展」が開かれている。この中で、版画部門にいわき観光まちづくりビューロー井上直美会長の作品が3年連続で入選した。モデルはスパリゾートハワイアンズのフラガール。社の役職を離れても、慈父のような眼差しは消えていない。
片隅抄