1993年、今から30年前のきょう5月15日、Jリーグが開幕した▼オリジナル10と呼ばれる創立チームの中で当初、実績がないばかりに〝お荷物〟呼ばわりされたのが鹿島アントラーズだった。しかし企業と鹿嶋市および周辺自治体、サポーターが一体となり、そこにジーコというリーダーが加わって、その後は〝優等生〟としての歴史を刻んでいる▼半面、カズやラモス瑠偉らを擁しJリーグ初代王者になった元ヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)は当初、地域密着のJリーグ理念に反旗を翻した。しかしプロ野球巨人軍と同じやり方は通じなかった。やがて親会社の撤退で戦力低下を招き、J2に降格した▼日の出の勢いでJ2まで駆け上がったいわきFCが苦しんでいる。戦力が低下したわけではないだろう。大相撲の伝説の力士初代若乃花の言を借りれば『ちゃんこの味がしみてない』のだ。辛酸をなめ、J2の味をしみ込ませての再起を、ファンは待っている。