ひところ平の街なかではビアガーデンが隆盛を誇った。ホテルやステーションビル、飲食店が入る建物などの屋上には提灯が飾られ、軽快な音楽とともに夏の雰囲気を醸し出していた▼こちらも仕事帰りには同僚、先輩らと足を運び、数杯飲んだあとは次に流れたものだ。今では、その軒数もごくわずかとなり訪れる機会はないが、強い西日に照らされながらジョッキを傾けた頃が思い出される▼季節的に大人ののどを潤すイベントがある。街から離れた中山間地域を会場に28、29日の両日「納涼屋台in川前駅前」が開かれる。まちの賑わい創出と磐越東線利用促進などを目的にコロナ禍以来、4年ぶりにアルコールが提供される▼同線利用の際はJRいわき駅発午後3時45分、5時50分。帰りの川前発が同6時58分、9時7分。現地の滞在時間は約2時間半となり、適時に切り上げられる。周囲に飾り気はないが、ほの暗い照明の中での酒宴もまた一興だろう。