東京電力福島第一原発事故からの復興を目指し、被災地に新たな産業の集積を図る「福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想」。イノベ地域として、いわき市や双葉郡、南相馬市など浜通りを含む15市町村が該当する▼県とイノベ機構は本年度、9月から3回にわたって、スタートアップ(新興企業)関連施設や、県内に進出した企業などの視察を組み込んだ「スタートアップツアー」を開催する。ロボット・ドローンをはじめ、福島の先進的な技術や各種制度を紹介し、新たなビジネスにつなげていく▼しかし今回のツアーには、いわき市は入っていない。視察候補先の一覧を見ると、市内にも見劣りしない企業・団体、施設は十分にあると強く思う。たまたまかもしれないが、「浜通りをけん引する」と言われる自治体としては腑に落ちない▼些末な話と、一笑に付されるかもしれない。だが、いわき市の魅力に触れてもらえないのは非常に残念だ。
片隅抄