8月、二回途中で右肘の違和感を覚え、降板した大谷翔平の姿にショックを受けた。2年連続で2桁勝利、打者としても44本塁打を達成。盗塁数は20を数え、二刀流で前人未到の大記録を打ち立てた矢先だった▼春先のWBCで日本を優勝に導き、そのまま米大リーグへ。疲れもみせず超人ぶりを発揮して周りを驚かせたが、過密日程に加えて大谷を酷使するチームの状況が本人の体を着実に蝕んだ。幸い手術は成功。多くのファンが安どしたことだろう▼国内ではプロ野球が佳境を迎えているが、各地では球児たちの新たな挑戦が始まっている。秋季高校野球県大会は実力校が順当に名乗りを上げ、いわき勢では磐城、東日大昌平が気を吐いた▼中学野球も伝統の黒獅子旗争奪大会が幕を開けた。小さな一歩かもしれないが、上を目指す子たちにとっては大切な一戦だ。〝第二の大谷〟は大げさかもしれないが、球児たちの描く夢が実現できるよう後押しできればうれしい。
片隅抄