「メヒカリは(東京の)新橋発なんです」。県漁連の野﨑哲会長が面白い話を披露してくれた。土屋品子復興相が11日に小名浜魚市場を訪れ、県漁連の幹部と懇談した後、去り際の雑談での一こまだ▼土屋氏は震災前、地元・埼玉の支援者を連れて来市した経験があり、いわきの海産物がとてもおいしかったと振り返る。「私はメヒカリが大好きです」と話すほどで、そこに野﨑会長が水を向けた。野﨑会長によると、いわきでは見向きもされていなかったメヒカリが、急に東京から引き合いが入ったのはバブルの頃という▼聞くと、市内のゴルフ場で安く出せる魚として重宝され、東京でも食べたいということになった。思わぬ形でサラリーマンに愛され、今ではいわきを代表する魚になったというわけだ▼市水産課ではメヒカリを「常磐もののソウルフード」と呼びかける。こうしたサイドストーリーも含めて、末永く多くの人に愛される「いわき市の魚」であってほしい。