もう選挙担当は引退します。開票結果を見て、同業他社の若い記者がつぶやいた。抄子自身、この結果には驚きというより「やっぱりか」という思いが強かった▼選挙は地盤、看板(知名度)、鞄(資金力)が必要だとよく言われてきた。その通り長く県議選では現職や元職、新人でも市議上がり、著名人の当選者がずらりと名を連ねていた。今回も下馬評では現職や政党支援の候補者有利との予想がなされたが、ふたを開けてみれば30代の新人医師が大躍進。ベテラン勢が次々と涙をのんだ▼増税や旧統一教会問題など批判を浴び続ける自民党への風当たりも影響したか。それだけでは説明しにくい。新人が駆使するSNSをつぶさにチェックしていたが、動画の閲覧数8・3万回はさすがに無視できなかった▼ある当選者は「選挙のあり方が変わった」と言い放った。旧態依然とした昭和の選挙はもう古いと。確かに、その変化に気づいた候補者が歓喜の渦の中心にいた。