8月15日の終戦の日を覚えていても、12月8日の開戦の日を知る人は少ない▼太平洋戦争後日本は、急速な経済発展を遂げ、平和な世の中を築いている。あの戦争によって約310万人もの同胞の血が流され、その犠牲の上に今の平和な日本があることを認識し、二度とあのような過ちを繰り返してはならないと、戦後我々は不戦と恒久平和を誓った▼しかし、今の日本を見ていると、誓いの危うさを感じる。平和憲法を歪曲してまで軍拡の道を進もうとする岸田内閣。世界で唯一の被爆国と言いながら、核兵器のない世界を希求する「核兵器禁止条約」には不参加。それどころか閣議決定で防衛費の増額を決める▼中東、欧州で戦争が拡大し世界の至る所で戦火の火種がくすぶる中、我が国の防衛力強化を全否定するわけではないが、殺し合いから生まれるのは憎しみだけだ。日本始め世界は先の大戦の反省を踏まえ、武力ではなく平和的な解決の道を探るべきではないか。