この冬に行われた高校生のサッカー、ラグビー、バスケットボール、駅伝などの大会を振り返るとやはり私学が上位を占めた▼それはそうだ。地元の中学校出身で、子供のころから見知っている選手はおらず、首都圏や関西圏など県外出身のエリートたち……ばかりか外国人留学生も加わったラインアップなのだから▼学区内の選手で構成し、中には選手が足りずに合同チームを組まざるを得ないほどの県立校が全国大会で上位に進出するのは厳しい。そんな中、春のセンバツ出場32校が決定した。昨秋の成績上位校から選抜されるのが夏の選手権と異なる点だが、ここでも私学が27校を占めた▼21世紀枠を設け、敗者復活戦からチャンスをつかめるのもセンバツだ。でなければ人口1万4千、牛の頭数11万3千という北海道の東端、オホーツク海に面した小さな酪農の町にある選手16人の道立校「別海」が甲子園の土を踏むのは厳しかった。選手たちのプレーに注目したい。
片隅抄