本紙創刊は1946(昭和21)年2月5日である。今年で78年の歴史と紙齢約2万3600号を数える。終戦直後のカオス状態の中で立ち上げ、きょうまで引き継いできた先人の労苦を思う▼当時の出来事を報じるものは新聞ほかラジオ、ニュース映画位だった。ここにマスメディアの寵児として躍り出たのが、テレビジョン。NHKを筆頭に日本テレビが同28年2、7月に本放送を開始した▼高価な機体は庶民には手が出ず、もっぱら街頭設置のテレビに大勢の国民が群がったという。現在、その影響力もインターネットに取って代わられ、高視聴率番組などは昔日のこと。それもそうだろうと思う。鑑賞に堪えるものは、ごくわずかである▼ドラマに限っては原作をもとに脚本化されるものが多く、作家のオリジナリティーを感じさせるものは滅多にない。意に沿わない改編にある漫画家が自死した。この経緯に脚本家、出版社の見解が違っている。不可解な一件だ。
片隅抄