「江戸時代から現代に至るまで、放火は常に火災原因の上位を占めています」。市消防本部のホームページでは、江戸時代の「八百屋お七」の話や、かつては死罪だったことを交えながら、市民に向けた啓発を行っている▼八百屋お七は、井原西鶴の「好色五人女」に代表されるが、ここのところ続く〝赤馬〟はそうした物語とは異なる。常磐藤原町では昨晩再び、下草が燃える不審火が発生した。幸いなことにけが人はなかったが、変わらず住民を不安に陥れている▼常磐地区では1月から不審火が連続しており、湯本川調節池(通称・さはこの水辺)付近のベンチが焼損される事件もあったが、こちらは検挙済み。しかし捜査関係者は当初から「下草の不審火は別人が関与しているのでは」と明かしており、事実そうであった▼火災は人命も財産も瞬く間に塵芥に帰してしまう。昨晩も風が強かったならば、もっと被害が出ていただろう。一日も早い解決を願う。