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片隅抄

2024.03.12

東日本大震災後、3月11日は海岸で午後2時46分を迎えていた。手を合わせ黙とうする市民の方々にカメラを向ける。波の音しか聞こえない砂浜に無機質なシャッター音だけが響く。毎回胸が痛んだ。正直、仕事を放り出して一緒に鎮魂の祈りを捧げたかった。自分も被災者だ▼先日、FMいわきの番組に出演させていただいた。被災者の声から、来たるべき大災害への備えと災害発生時にどう対応すべきかを考察する内容で、抄子は震災発生直後の自身の動きを振り返った▼津波なんて来ない〝だろう〟。高をくくっていた。あったのは、現場を記録に残して後に読者に伝える、記者としての当たり前の使命感だけだった。津波に囲まれ、命からがら逃げ込んだ2階建ての避難先。3階建ての宮城県・南三陸町防災対策庁舎が、津波にのまれたという防災無線を聞いた時の絶望感は忘れられない▼今年、海に向かいひとり手を合わせた。13年目で、ようやく気が楽になった。

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