今年は暖冬と言われていたが、3月後半に強い寒気に襲われた日本列島。東京では雪が降ったりと寒い日が続き、例年と比べ全国で桜の開花が遅れた▼市内でも例年よりも8日間遅い1日に開花宣言。これまでコロナ禍で中止や縮小を余儀なくされていた桜祭りも今年は各地で開催され、桜の下で飲食を楽しむ家族連れの姿が多く見られた。見ごろも終わりに近づき、これから季節は春から初夏へと向かう▼里山の春の色が桜のピンクなら、里山の幸と言ったらタケノコか。毎年、親類の家から送られてくる。食べ方はいろいろだが、抄子は湯を通しただけのタケノコを、わさび醤油をつけて食べるのが好きだ。酒のつまみには最高で、酒量が増えるのもこの時期ならでは▼19日は「穀雨」。このころの雨は田畑を潤し、穀物の成長を助けるとされ、農家では田植えの準備に入る。田んぼに水が張られると、水が水鏡のように周りの自然を映し出す。実りの秋が待たれる。
片隅抄