「うそだったら鼻でスパゲッティ食べてみせる」。子どものころに見た映画「ドラえもん のび太の恐竜」のワンシーンは、いまでもクスリと笑える。のび太が首長竜の卵の化石を、ドラえもんの秘密道具でふ化させ、フタバスズキリュウのピー助と大冒険が始まる▼今年３月に惜しまれつつ閉園した大久町の「市海竜の里センター」。運営協議会ではオープンからのできごとをまとめた「３３年のあゆみ」を発行した。１９６８年にフタバスズキリュウの化石が発見されたことをきっかけに、地域おこし「海竜の里づくり」が立案され、９１年に開業した▼協議会の阿部相市郎会長はできた当時を振り返り、「多くの方々の汗と努力がある」と強調する。それだけ地域に愛されてきたのだ▼いわき市には岐路に立つ観光施設が多い。先月には公共施設を適正に維持するための市の個別施設計画が発表された。縮減は仕方ないかもしれないが、大事なのは地域の声とその先だろう。
