60歳以上なら、1972年のミュンヘン五輪で金メダルを獲得した男子バレーボールチームの活躍を、準決勝のブルガリア戦の奇跡とともに記憶している人も多いだろう▼ドライブサーブと一人時間差の森田、大砲・大古、激痛で腰に自転車のチューブを巻きながらクロスを打ち続けた横田、3大会連続五輪で金銀銅メダルを持つ世界の顔ベテラン南、世界一のセッター猫田、二刀流のプリンス嶋岡……今でも12人をそらで言える▼7月に迫ったパリ五輪では、エース石川、強力なジャンプサーブの西田、22歳の成長株・高橋藍らを擁して、このとき以来52年ぶりのメダルが狙える位置にいる▼そういえば、V6の登場以来、バレーの試合に憑き物だったジャニーズ系アイドルグループのバカ騒ぎや定番の「ニッポン、チャチャチャ!」がなくなったような気がするがどうだろう。自然な応援と自然な盛り上がり。雑音がなくなり、やっと試合に集中できるようになったようだ。