戦争はおろか、戦後の混乱期を知らない団塊ジュニア世代だ。根性論で何事も打破できるとの教えを受け、過酷な受験戦争と就職氷河期を生き抜いてきた▼グローバル化の波から多様性を認める時代へと変貌を遂げる社会に翻弄され続け、年齢に精神的成長が追い付かないままいつしか中心的な役割を背負う立場に。根性論は時代錯誤だが、激動の昭和を歩んできた諸先輩の生き様や含蓄ある言葉には正直助けられた▼新聞は廃れたという声がある。過去のメディアだと。同世代の多くが新聞を読まない。新聞を読まずともネットがあるから問題はないというが、会話の端々に誤情報を入れてくる。無尽蔵の情報を正しく見極めるのは簡単ではない▼新聞には力がある、と信じている。社会的弱者の声をすくい上げ、代弁する。我々地域メディアはネットに載らない情報を地道に足で稼ぎ深掘りし、事象を公にする。夕刊から朝刊に変わっても、その姿勢は決して変わらない。