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片隅抄

2024.09.14

1972年のミュンヘン五輪で金メダルを獲得した代表チームには中村祐造という主将がいた▼ビッグスリーの森田、横田、大古、世界一のセッター猫田、プリンスと呼ばれた嶋岡、3大会で金銀銅メダルを獲得した〝世界の顔〟南とそうそうたるメンバーで、中村といえば当時30歳▼東京五輪に22歳で選ばれながらメキシコでは代表を外された。それでも所属の新日鐵で闘将の名にふさわしい獅子奮迅の活躍を続けたことから松平監督に呼び戻された。名伯楽が求めたのはプレーではなく、厳しい練習でも先頭に立ってチームの士気を高める役割。ところが敗戦濃厚の準決勝ではピンチでコートに立ってドライブサーブを決め、コートを駆け回り逆転勝ちの立役者になった▼今のサッカー日本代表でいえば長友がそれに当たるだろう。主力でないが頼もしい精神的支柱。そしてピンチのときワンプレーで結果を出す。強豪チームには欠かせない存在がある。さて、政治の世界では?

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