平市街地から西方向に目をやると、湯ノ岳の稜線沿いに白い風車が連なっている。先日、その２基付近で風力発電施設の竣工式が行われ、取材に赴いた▼常磐藤原町近くの運営会社事務所からバスに乗車、約１時間かけ現地に着いた。施設名は「ユーラス三大明神ウインドファーム」。エリアは好間、田人、遠野、三和の各町にまたがり、標高６００～８００ｍの高地に設置されている▼発電機１基の全長約１４３ｍで真下から見上げると、その威容に驚きもしたが風向に対し、羽根３枚をゆっくり回転させていた。市内を一望できる立地に建ち化石燃料を必要としない電源供給拠点となる▼今年８月末の稼働開始から３カ月を経た。脱炭素社会実現の一翼を担う施設として、行政でも期待をかける。維持管理、保安などに細心の注意を払うことは当然であり、地域との相互理解も不可欠。安全・安心を大前提に自然の力を活用したエネルギー事業の今後を見ていきたい。
