今年こそ「市立博物館」の設立に向けて端緒を開く年になってほしいと思う▼場所は文字通り市の真ん中に位置する中央台。市暮らしの伝承郷近くであれば、博物館機能を補完する施設として生かせるのでなおいい。敷地面積や駐車スペースに限界がある美術館やアリオスのような平の市街地はいけない。天心記念五浦美術館とまではいかないまでも、憩いの場にもなれるよう周辺の景観には気を配りたい▼収蔵にあたっては、かつて四倉史学館や磐城平城跡にあった龍が城美術館に展示されていた資料を集め命を再生させるのが1つ。また、個人所有ではいずれ散逸しかねない刀剣類など貴重なものの受け皿となる。本紙31日付にあった「天冠埴輪」も博物館の主要な収蔵品にできたらと思う▼博物館の懐は広い。さまざまな分野の歴史だけでなく科学技術や自然なども含まれる。市民にとって新しい文化創造の拠点となるために博物館を市にオープンできたらと思うのだが…。
片隅抄