城好きとしては、会津若松の鶴ケ城から二本松の霞ケ城を経て、白河の小峰城、そして棚倉の棚倉城を巡るルートをよくたどる。戊辰戦争で会津藩を討つため官軍が侵攻していった道でもある▼今の鶴ケ城の威厳は言うまでもない。霞ケ城も小峰城もまちのシンボルだし、棚倉城（亀ケ城）は櫓こそ残っていないが、城跡を取り囲む立派なお濠と土塁があり、〝東北の小京都〟棚倉にふさわしい桜や紅葉が美しい公園になっている▼では、いわきの磐城平城はどうだ。官軍によって落城したのは先のお城と同じだが、いわきの場合は城跡が住宅密集地となり、猫の額ほどの本丸跡が残っただけ。お濠は常磐線と磐越東線の線路の下に埋もれ、城下町にはビルが建ち並んで風情などあったものではない▼お城や磐城平藩に関する動きがいろいろあるようだが、手持ちの駒がほとんどない中でどんな『一手』を指すつもりだろうか。他の旧藩に胸を張れるようなまちづくりとは…？
