愛読していた日本史の月刊専門雑誌が廃刊の危機と知り、酷く気落ちした。『現場』外で自由に出歩けない愛好家からすると、いくらアンテナを高く伸ばしても学者たちの最新かつ詳細な研究成果を知る術がない▼抄子にとっては日本史の『いま』を知る貴重な指南書。ここ数年は白河小峰城、棚倉城築城400年など本県ゆかりの広告も掲載され、「磐城平城跡も続いてはどうか」「城郭考古学者千田嘉博氏監修だけに特集もあるぞ」と勝手に妄想していただけにガックリ▼出版市場の急激な構造変化と原材料費の高騰などにより、発刊元が廃業を選ぶため。どこか引き継いでくれないか。古巣の出版社も雑誌の廃刊が相次ぐ。ここ数年で愛読書の一部も紙媒体での発刊をやめ、デジタルに移行した。時代の変化をひしひしと感じており、決して他人事ではない▼紙のにおいとページをめくる感触、本の装丁を眺めるだけで喜びが沸き上がる。デジタルだと本当に味気ない。