談合とは神仏にかかわる聖なる地で、人々が集まって話し合いをしたことを指した。転じて入札に際し、事前に受注業者や落札者を決める言葉となった▼いわき市水道局の工事入札を巡る官製談合事件では、同局工務課技術主任を務める職員の男が、地元業者に最低制限価格の算定基準となる工事費などの金額を伝え、見返りに現金10万円を受け取った。16日に福島地裁で開かれた判決公判で、元職員と元社長・専務の男3人に有罪判決が言い渡された▼公共工事の入札は専門性が強いため、一般市民にとってはなじみが薄い点は避けられない。それでも昔から不正があると、まことしやかにささやかれてきたのは事実だ。今回は誤って前年の単価を入力して最低制限価格と一致し、悪事が白日の下にさらされたに過ぎない▼市は来年1月から、公共事業推進監を新設する。地域活性化のため発注拡大は大変良い話題だが、疑念を持たれないよう常に襟を正すことが一番だろう。