「今やかの三つのベースに人満ちてそヾろに胸の打ち騒ぐかな」。明治を代表する俳人・正岡子規が詠んだ。満塁の好機に何とも言えずソワソワするのは、時代を経ても変わらない▼高校野球福島大会も4強が出そろい、いわき勢で唯一勝ち残った東日大昌平は、準決勝で王者・聖光学院と対戦する。否が応でも気持ちは高まる▼縁あって、今年は高校野球の取材に恵まれた。本社白鷲旗を争ったいわき選手権では、いわき総合に話を聴いたとあって、夏の結果は自然と気になった。4年ぶりに単独編成となった喜びを知っていただけに、夏の1勝はうれしかった。4強に進出した東日大昌平は1回戦の対安積に赴いた。初戦ゆえの難しさや、堂々とエースナンバーを背負う姿に心が揺さぶられた▼勝者がいれば、当然敗者もいる。栄冠を手にするのは1チームだけ。ただそれぞれがこの夏、一球に一打にかけて、青春の賛歌をつづっている。