著 者:標野 凪
出版社:KADOKAWA
価 格:792円(税込み)
一歩踏み出す勇気くれるネコシェフの料理と言葉
専業主婦の千晶は悩んでいた。夫の不倫、娘の将来、仕事を始めようと応募した求人は不採用。千晶はすべてが嫌になり、ふと目を閉じた。そして再び目を開けると目の前には海が広がっていて、そこにいた一匹のネコに話しかけられた。
ネコは、海辺にぽつんと佇む小屋でシェフをしているという。そこでネコシェフは、「鱈のブランダード」という料理を千晶にふるまってくれた。ネコシェフとの出会いは、千晶のささくれていた気持ちを落ち着かせ新たな活力をくれた。ネコシェフが話してくれた「自分の気分の赴くままに生きる」という言葉に千晶も思うところがあった。
本作は短編連作になっており、それぞれの章で主人公は違いますが、どの作品にも最初の主人公との繋がりがある人物たちが登場します。
ネコシェフの美味しい料理と、シンプルだけど一歩を踏み出す勇気をくれる言葉が、疲れた心に寄り添ってくれる物語となっております。
(鹿島ブックセンター勤務)
※紹介する人:馬上 菜緒さん