ボタニカルアート
いのちを描く(ストレプトカーパス)3月3日掲載
寒さに弱い花を温かい居間で
あるスーパーの入り口で数個の鉢花が並んでいた。サクラソウやラナンキュラスに混じって青紫色の小さな花を付けた鉢が2つあった。「ストレプトカーパス」という名札が付いていた。
以前、我が家にもストレプトカーパスの鉢があって、毎年冬から春にかけて花を楽しんでいたが数年前に枯れた。以来、また欲しいものだと思っていたが、これは花も葉も以前のとは違って見える。その上、霜焼け状態で葉はところどころ茶色に変色し、全体に元気がない。そのせいか結構大きな鉢なのに200円という破格の値段だった。家に来て元気になってもらおうと安いこともあって迷わず購入した。
帰宅後調べてみると、ストレプトカーパスのサクソルム系という種で、前種とは別の系統らしい。サクソルム系はケニア・タンザニア原産で茎が立ち、葉が多肉質であるのが特徴という。寒さに極めて弱いというので今年の寒波の中開閉するドアの所で震えながら陳列台にいたのだろう。茶色の葉がそれを物語っている。
ひとまず変色した葉や花が終わった花柄を取り除くと少し生き返ったように見えた。これから暖かい居間でゆっくりと過ごしてもらうことにしよう。
(ボタニカルアートの世界:冨田武子)