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いわき昆虫記

ふるさと自然散策・いわき昆虫記120 ―モンスズメバチ― 8月13日掲載

写真:巣口で羽ばたき、高温の巣内に風を送るモンスズメバチ(働きバチ)

文と写真・ 鳥海陽太郎(いわき地域学會会員)

夜間も活動している危険生物

 平北部に広がる「石森山生活環境保全林」絹谷地内の丘陵地を散策した。市街地は暑くても、季節外れのウグイスのさえずりと森を吹き抜ける風が涼やか。薪炭林として活用されてきた名残りだろうか、クヌギの放つ甘い香りも漂っている。樹液に集まる虫を探してみよう。
 クヌギ林に立ち入ろうとしたその時、1匹のスズメバチが飛んできて、後方へ飛び去った。蜜源は正面にあると確信して進み出た瞬間、足を止めた。クヌギの幹の地上1㍍ほどのところにとまっていた2匹のスズメバチは、樹液に来ていたのではなく、樹洞の中に作った巣の出入口にとまっていたのだ。
 頭部が黄色で胸は黒く、腹部の黄色と黒色の波状の縞模様が特徴的な、スズメバチ科の「モンスズメバチ」だった。体長25㍉ほどの中型種でありながら、攻撃性も毒性も強力なのだという。
 樹洞の中に作られた巣は、出入口からさらに上方にも、樹洞の隙間を埋めた茶色い波模様の巣の外被が見え、かなり大きなものとみられた。巣周辺のテリトリー5㍍のエリアに立ち入らぬよう、観察は充分距離をとり、巣を刺激せぬよう音を立てずに撮影した。
 巣の中はかなり高温になっていたのだろう。1匹の働きバチが巣口に背を向けて羽ばたき、巣内に風を送っていた。出入口を守る働きバチは、巣の中から常に外の様子を見ていて、外勤バチが戻ると巣の外に出て、顔を付け合わせてから巣の中へと誘導していた。
 危険生物モンスズメバチは、他のスズメバチと違って夜間も活動しているので、カブトムシやクワガタムシの夜間採集で林に立ち入る際には気を付けて。

(写真:巣口で羽ばたき、高温の巣内に風を送るモンスズメバチ(働きバチ))

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