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震災きっかけに生まれた対話の場「未来会議」が10年 次世代につなぐ思い

 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興に向け、さまざまな立場の人たちが対話する場「未来会議」が26日、第1回の集まりからちょうど10年を迎えた。10周年を記念した懇親会が同日夜、平字三町目のイタリアンレストラン「La Stanza(スタンツァ)」で開かれた。
 未来会議は、ソフトバンクが運営する「東日本大震災復興支援財団」が平成24年、子ども被災者支援法に関する聞き取りをした際、市民有志が継続的な対話の場を求めたことにさかのぼる。
 初回は平成25年1月、平字菱川町の市社会福祉センターで行われた。会議やコミュニケーションを円滑に進める「ファシリテーション」や、文字とイラストで内容を可視化する「ファシリテーション・グラフィック」といった手法が取り入れられ、メインとなる本会議は10年で31回を数える。
 始まった当初は市民と避難者の〝あつれき〟が指摘された頃だったが、立場を超えて思いを伝える貴重な機会となった。その後は県内にとどまらず、阪神・淡路大震災の被災地の兵庫県神戸市や、基地問題を抱える沖縄県でも開催された。
 事務局長を務める弁護士の菅波香織さん(47)は「対話が主体性をはぐくませると考える。未来会議は(福島第一原発の廃炉目標とも重なる)30年から40年続けたいと思っているので、今後は震災を知らない世代につないでいきたい」と話す。
 また参加者から新たな活動が派生し、子どもたちの支援に当たっていく分科会も誕生した。令和元年の東日本台風の際には、水害に遭った児童・生徒のサポートに取り組んだが、未来会議というバックボーンがあったため、円滑に実施できたと振り返る。
 初期に未来会議を支援し、東日本大震災復興支援財団の専務理事に就く池田昌人さん(48)は「スタッフには『必ず次につなげるアクションを』と伝えていたが、こうして継続していることは大変すばらしく、私たちの支援としては100点満点の成功例と言える」とたたえ、ぜひ次世代への継承を進めてほしいとエールを送った。

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