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アクアマリンふくしま きょうから「ハヤブサ」展示 野生動物に理解深めて
小名浜のふくしま海洋科学館「アクアマリンふくしま」は29日から、屋外エリア「えっぐの森どうぶつごっこ」で、ハヤブサの展示を開始し、新たにハヤブサになりきれる遊具を設置した。
ハヤブサは、野生動植物保存法で「希少野生動植物種」に位置付けられており、世界最速の中型猛禽類として知られ、高い場所から獲物を探し、急降下するときは時速約300km近くの速度を誇るほか、視力はヒトの約8倍あるという。
展示された個体はメスで、事故によって左の翼が欠損し、神戸どうぶつ王国(兵庫県神戸市)が保護していた。アクアマリンふくしまによると、ヒトの生活の影響が原因で、体の一部を失い、二度と自然界に戻れなかったり、命を落としたりする野生動物が年々増えている。
こうした実態を少しでも理解してもらおうと、メッセンジャーとしての役割を担うため、同館は神戸どうぶつ王国からハヤブサを譲り受けた。
初日の29日には、飼育職員によるエサやりを交えた特別解説が実施され、ハヤブサが保護された経緯や、野生動物の現状に関する説明が行われた。また新しい遊具では、地上2mに設置されたハヤブサの展示を観賞しながら、ハヤブサになりきって高い木から獲物を探す体験ができる。
同館の荒木美妃さんは集まった子どもたちを前に、「このハヤブサをきっかけに、普段の生活の中でも野生動物について考える機会にしてほしい」と語りかけた。